堀江貴文「すべての教育は「洗脳」である」
2017年3月20日に発売された、堀江貴文著「すべての教育は「洗脳」である」。
最近、「ゼロ高等学校」の設立は発表したホリエモンこと堀江貴文さんの、
教育とは?これから社会人になる若者に必要とされる能力とは?学校のあるべき姿とは?が示されている一冊であり、
何よりもKindle Unlimitedに登録されたことで無料になったということもあって、読んでみました。
学校教育のさなかにある人だけでなく、今後のキャリアに悩む20代・30代の社会人にも使える考え方が示されていると感じました。
特に面白かったところは、私なりの要約・解説も入れさせていただきながら、まとめてみたいと思います。
本の中で出てきたキーワードたち(網掛け部は同書より引用)
国がなくても生きられる
元々教育という発想は、国が国力増強のため(つまり戦争のため)に始めたものが発端である。
19世紀に始まった義務教育は、政治的には「国民意識」を育成することで、一つの「国民国家」を形成すること、経済的には「工業化社会に適用するために規則や規律に従順で、読み書きそろばんができる国民」を作ることが大きな目的でした。
しかし、アメリカのGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)のように、企業は国の枠組みを越え…というのは、ここ十年以上言われ続けている通り。
つまり、国がどうしてくれるかというよりも、「Amazonが届くか?」や「Googleのサービスが使えるか?」、もっと言うと「スマホの電波が入るか?」や「スマホの充電が出来るか?」の方が遥かに重要になってきているという指摘を、堀江さんはされています。
さらには、「国がなくても生きられる」から、「日本が凋落することを心配する必要はない」とも言っています。
日本政府がどうなろうとも、上記のようなサービスを享受できるのであれば私たちの生活に重大な影響はないし、民間企業のサービスで代替可能だということですね。
国境・県境の意識は溶解していく
甲子園を例に出して説明されていましたが、「●●県代表」というのは一種のファンタジーです。
今夏大会の決勝は「秋田県代表の金足農業」対「大阪府代表の大阪桐蔭」でした。
金足農業は公立高校ということもあり、ベンチ入りの18人全員が秋田県内の中学出身ですが、
大阪桐蔭は私立で全国屈指の強豪校であることから、全国各地から優秀な選手が集まってきています。
ベンチ入り18人のうち、大阪出身者はわずか5人。他にも、兵庫、奈良、和歌山、北海道などから集まっているそうです。
(詳しくはこちら→http://apapnews.com/famousmember/290/)
つまり、「●●県代表」は幻想でしかなく、もはや実態とは合わないのです。
これは国家においても同じで、サッカーワールドカップで優勝したフランスも、
23人の選手のうち、15名がアフリカで生まれるなどのルーツを持っているそうです。
(詳しくはこちら→https://qoly.jp/2018/07/06/african-roots-france-world-cup-players-kgn-1)
「●●国代表」や「●●県代表」が、「その地で生まれ、その地で育ち、その地を愛している」という訳ではない現実が既にあるのです。
G人材(グローバル人材)とL人材(ローカル人材)に分かれていく
グローバル人材(G人材) ローカル人材(L人材) 国民国家幻想(N幻想) なし あるが地元レベル 人物像 合理的、寛容、フラット 情緒的、排他的 大切なもの 自分のやりたいこと 仲間との絆 フットワーク 軽い、変化を好む 重い、変化を好む 豊かさの指標 情報 お金、モノ こだわる場所 なし 地元 生きている時間 現在 過去の思い出 希少性 高い 低い
グローバル人材は、アンミカさんのような人間でしょう。
自宅でホームパーティーをしていて、様々な国出身の人が集まっており、本人も「地球人のパーティー」と称していました。
この発言はウケ狙いでもありながら、本人の意識では本気でそう感じていると思います。
一方でローカル人材は、堀江さんも入間市のラッパー「イルマニア」を例に挙げています。
いわゆる「マイルドヤンキー」や、イオンで一日を過ごすという「イオニスト」もこの分類にあてはまるでしょう。
このようにして、「地球規模に拡大する」か「地元(●●市レベル)に留まるか」の二極化がますます進むというのが堀江さんの主張です。
N人材は、「国家」を生きる人材
時代の変化に乗り遅れ、G人材にもL人材にもなれなかった人は、N人材になるしかない。
「国家vs国家」という対立軸が自分たちの生活を脅かすと考えているので、「仮想敵がいないと生きていけない」状態に陥ってしまう可能性があると堀江さんは言っています。
実際に行動に移す人は1%にも満たない
どんなに良いと思い、「人生観が変わった!」という人でも、実際に行動に移し変化していく人はほとんどいません。
だからこそ、世の中が変わらないのであり、「脱洗脳」のために必要なのは、周りからの手助けではなく、
自分自身が変化のために行動を起こすことなのだ、と締めくくっています
本書で堀江さんが言いたかったこと
- 国家としての「教育」は「国民国家づくり」のためであり、グローバル化が進み、国家の存在感が低下している今では、合わなくなっている
- 「学校」や「会社」に教育されたままでは、組織に従順に従うのみとなってしまい、人生を他人に決められてしまうので、幸福感が低下する
- 他人のルールで生きるのではなく、自分のルールで生きることがまず何よりも重要である
- そのためにやるべきことは「環境が変わることを待つ」のではなく、「小さくても、自らが率先して行動すること」である
合わせて読みたいニュース記事
堀江さんの「ゼロ高等学校」の記者会見内容をAbemaTIMESさんがまとめて記事にしてくださっています。
「中等、高等教育の改革は待ったなし」堀江貴文氏が設立した『ゼロ高等学院』が目指す教育とは?責任者と顧問に聞く(引用:BLOGOS)
こちらにも、堀江さんの教育に対する想いが見て取れます。
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